【API未対応者向け】マネーフォワード MEに従業員持株会を手動で設定する方法と注意点
マネーフォワードME(MFME)で、従業員持株会を連携させたいが、幹事証券会社がAPI連携に対応していない、またはグループ会社でAPI連携ができないという方向けに、手動で持株会の資産を管理する方法を紹介します。
この方法は、API連携前の資産を管理したい方や、API連携後に手動で作成した「架空口座」が原因で二重登録となってしまった方が、履歴を維持しながら解消するためにも役立ちます。
1. 手動設定に必要な「天引き口座」の設定
従業員持株会の掛金は給与から天引きされるため、まず給与天引きの履歴を残すための「天引き口座」を設定しておく必要があります。
天引き口座の作り方は、こちらの記事をご参考ください。
2. 手順1:持株会専用の「架空証券口座」を開設
持株会の資産を管理するため、マネーフォワードME上に新規で持株会専用の架空の証券口座を設定します。
持株会の架空証券口座開設手順
- 金融機関の新規登録から、「証券」をクリックします。
- 「未対応の証券」をクリックします。
- 金融機関名に「(自社名)持株会」など、分かりやすい名称を入れて登録をクリックします。
- 「手入力で資産を追加」をクリックします。
- 資産の種類は、国内上場株式の場合「株式(現物)国内株」を選択しておきます。
- 資産の名称は、株式の名称にプラスして「持株会」として区別しておきます。
- 現在の価値には、総支払額(積立総額)を入力します。(※株価の変動には対応しないため、時価額ではなく積立総額にしておきましょう。)
- 「登録」をクリックします。
以上で、持株会口座の初期設定が完了しました。
3. 手順2:月々の引き落とし(積立)設定
この架空口座へ、毎月給与から天引きされる金額が積み立てられるよう、繰り返しルールを設定します。
- 「設定」の中から「家計簿の設定」を開き、「繰り返しルール」を作成します。
- 給料から天引き設定していた「従業員持株会積立の設定」を、掛金分を増額して設定します。
- 奨励金(会社補助)がある場合は、奨励金部分もそのまま給与として支払われ、天引き口座に入金されるように設定しておきます。
持株会証券口座へ自動で反映させるには、「振替」を設定しておくことを忘れないようにしましょう。
4. 【注意点】手動設定のメリットとデメリット
架空の証券会社口座で管理するこの方法には、メリットとデメリットが存在します。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 積立総額が明確 | 株式の持ち株数が分からない |
| 給与支払いごとに積立額が分かり、モチベーションにつながる | 株式の時価評価額の変動がリアルタイムで分からない |
| 配当金があった場合も、管理口座を分けることで把握しやすい | ボーナス時などの追加積立は、手動での振替操作が必要になる |
まとめ:API連携できない場合の最善策
従業員持株会をマネーフォワードMEで資産管理に含めることは、非常に重要です。
持株会は、一般的には集中投資となりハイリスクですが、今回の手動設定によって「総投資額がいくらか」を正確に把握できるようになります。
API連携ができない場合でも、総投資額を把握することが、リスク管理の第一歩です。あなたの全資産に占める持株会の比率を定期的にチェックし、偏りすぎていないか確認しましょう。
これにより、大手の上場会社であれば複利効果を働かせながら、安心して資産形成を進めることができます。全ての資産をマネーフォワードMEで管理し、資産形成の現状把握をしていきましょう。
以上、参考になれば嬉しです。
それでは今日も一日、お元気で…

