【プロが解説】「進路変更→右左折」の正しい手順!3秒と30mの合図を完璧に行う方法
運転の基本である「右左折」と「進路変更」ですが、多くのドライバーがその正しい手順と合図のタイミングを複合的に理解できていないのが現状です。特に、交差点での動作は他の車や歩行者との接触リスクが高まるため、正確な操作が求められます。
この記事では、旅客運航管理者としての視点から、交通安全の基本である「右左折」と「進路変更」の定義を明確にし、「進路変更後に右左折する」という複合動作を、道路交通法に基づき詳しく解説します。
1. 右左折と進路変更の基本定義
右左折と進路変更は、進む方向が変わるという点では似ていますが、道路交通法上は全く異なる動作です。
道路交通法上の定義
| 行為 | 意味 | 道路交通法で規定されるタイミング |
|---|---|---|
| 右折・左折 | 車両が道路の中心線から見て、右方または左方にある道路に進入する行為。 | 交差点の30メートル手前で合図を開始。 |
| 進路変更 | いわゆる「車線変更」のこと。右車線から左車線への移動、追い越し車線への移動など。 | 進路変更を行う3秒前に合図を開始。 |
「気ままにハンドルを切る」ことによる事故を防ぐためにも、まずはこの基本ルールとタイミングを理解することが安全運転の第一歩です。
2. プロが教える!右左折は「進路変更」との複合動作である
多くのドライバーが勘違いしやすい点、それは「右左折は、進路変更を伴う複合動作である」という点です。
例えば、右折車線のある交差点で右折する場合を考えてみましょう。
| ステップ | 動作 | 道路交通法上の根拠 |
|---|---|---|
| ① 事前準備 | 右折車線に入るための進路変更の合図(3秒前)を開始する。 | 進路変更の規定(3秒前) |
| ② 車線変更 | 右折車線に進路変更を完了させる。 | 道交法第34条1項の「あらかじめその前からできる限り道路の右側端(中央)に寄り」の準備。 |
| ③ 合図の一時停止 | 進路変更が完了したら、一旦合図を止めます。(長すぎる右折車線を合図を出しっぱなしで走る必要はない) | 右左折を伴わない進路変更と同様の処理。 |
| ④ 右折の合図 | 交差点の30m手前で、改めて右折のための合図を開始する。 | 右折の規定(30m手前) |
| ⑤ 徐行で右折 | 交差点中心の内側を徐行で通過し、右折を完了する。 | 右左折時の徐行の規定。 |
なぜ「進路変更後」に右左折なのか?(旅客運行管理者視点)
道路交通法第34条第1項・第2項は、右左折する際は、「あらかじめその前からできる限り道路の左側端(中央)に寄り」と規定しています。
時速40kmで走行する車両は1秒間に約11m進みます。もし「右折のために30m手前で合図を出す」動作を先にすると、進路変更の合図(3秒)がその間に発生するため、30m+3秒(約33m)となり、進路変更が完了しないまま交差点に近づいてしまうことになります。
したがって、30m手前で右左折の合図を出す前には、すでに進路変更(車線変更)が完了している必要があるのです。
3. 安全運転のための実践ポイント
右左折と進路変更を安全に行うためには、基本動作の遵守に加えて、周囲への配慮が重要です。
- ミラーの頻繁な確認: 特に進路変更前は、目視とミラーで後続車や斜め後方のバイクを確認する。
- 周囲の車の動きを予測: 「もしかしたら車線変更してくるかもしれない」といった予測運転を心がける。
- 余裕を持った運転: 時間に余裕を持って運転することで、合図を焦って出すことなく、適切な操作を行うことができます。
まとめ:プロの基本操作を実践する
右左折と進路変更は、似ているようで全く別の行動であり、右折車線等を利用する場合は「進路変更→右左折」という複合動作を行っています。
この正しい順序を知り、実践することで、他のドライバーや歩行者との接触リスクを大幅に減らすことができます。安全運転の基本をプロの視点で再確認し、実践していきましょう。
以上、参考になれば嬉しいです。
それでは今日も一日お元気で…

